2017年11月13日月曜日

祖谷渓谷





四国三郎・吉野川の中流域の大歩危・小歩危渓谷は、水量が豊富、紅葉のこの時期は観光遊覧船も満杯に人を乗せて行き交っている。




その上流域の深く切り込んだ祖谷渓谷は、もっと水が澄み、紅葉との対比が美しい。













名所となっているかずら橋は、流石に人、人、人、写真を軽く撮って退散。







蛇行する祖谷川の姿から名付けられた、ひの字渓谷。




小便小僧のパロディー小便狸は昼食の祖谷蕎麦の店のもの。




200mの断崖に突き出す岩場は、旅人達が度胸試しをしたという場所。
よくぞここに小便小僧を設置したものだ。





断崖の小便小僧冬に入る

だんがいのしょうべんこぞうふゆにいる


2017年11月7日火曜日

静かな紅葉の森





ライダーの間で「天空の林道」と呼ばれている場所がある。




中津明神山から続く林道、1540mの山頂まで車で行くことのできる場所だが、この日もトレッキングの人達が数名いた。
なれどこの林道を歩き、猿越山まで足を伸ばす人はあまりいないようだ。




四年前の登山時の紅葉の美しさに魅了されたこの場所には、
以後春夏秋冬、歩いて自転車で車でと訪れているが、やはり紅葉の時期は格別。




二週続いた台風の過ぎ去った土曜日、四駆のハスラーで向かう。
明神山頂の温度は4℃、強風の為体感温度は0℃を下回る感覚。




林道から猿越山登山道へ入る頃には、どんよりとした雲が立ち込め、時折望いていた太陽も全く隠れてしまった。
光量は少ないが、だからこその柔らかい絵画のような森を楽しめる。
















とは言え、稜線を吹き抜ける風は冷たく、ここまでの寒さを想定していなくて初秋の装備、一時間くらいでそそくさと帰途に着くことにした。




日曜日は用事が入っていたがキャンセルになった。
風はなく雲一つない青空が広がっている。
家から約三時間のこの場所へもう一度入ろうと体が動き出した。













昨日と打って変わって小春日の温かな一日。
二時間半ほど森を歩いた。
夏に来た時にもそうだった様に、二日共誰とも出会わない。













贅沢な贅沢な一人占めの紅葉を、心ゆくまで歩き楽しんだ。








お日柄も良く狐火と出会いけり

おひがらもよくきつねびとであいけり


2017年10月17日火曜日

屋久島Ⅱ

 
 
 
 
 
 
 
二日目、山小屋の朝は早く4時過ぎに小屋を出て行く人達も。
自分達は明るくなってからの出発と決め、味噌汁とご飯、そして熱い珈琲の朝食をゆっくりと取り6:20に出発。
小屋を出てすぐに屋久鹿二頭と出会う。




行く手の森には次々と巨大な杉達が現れてくる。




かの杉が導いているかの如くに
 



そして突然に目の前に現れた縄文杉。
屋久島最大の大杉は樹高25.3m、胸高周囲16.4m、樹齢は6000年とも。
大きさだけではない、明らかに他の杉とは違うオーラを感じる。


 

いろいろな角度から撮影を試みるが、見たとおりの縄文杉を表せることが出来なかった。




この大樹は自分の目でしっかりと心に焼き付けるしかない、逢えて良かったと心から思う。




7:25高塚小屋着、縄文杉7:35着、夫婦杉8:20着、各ポイントで少しづつ時間を浪費しつつ進んでいたが、この辺りから日帰りの縄文杉トレッキングの団体が次々と現れるようになり、前になかなか進めなくなる。




ウィルソン株9:05着、観光地さながらの広場にはかなりの人が休憩している。
株の中に入るにも列に並び一苦労。










秀吉が伐採させたとの逸話も残る巨大な株の中からは、いろいろな角度で撮ることができるが、やはりこの角度がベスト。




さて、ここからが大変、10分ごとに出発しているらしい荒川登山口からのツアーの一段が次々と登ってくる。
上り優先とは言え、連れているガイドが状況を判断して、下山の者も少しは通す配慮もしなけりゃ。
一気に観光地化したこの島のガイドも、本物のプロと言えるガイドはわずかなのかもしれない。
スニーカーに水分も持たず、カメラ一つをぶら下げて登ってくる人にあきれもするが。
 
 

 
9:40トロッコ道にやっと到着、鬱憤をはらすが如くの勢いで歩き出す。
途中、企業の補助で建てられた立派な新しいトイレが出来ていた。
この山のトイレはどこも二度と使いたくない代物だが、携帯トイレの小さなブースがいろんな場所で見受けられた。
これならば清潔でプライベートも守られる、いい対策だと思う。
自分達も二個づつ装備して山に入った。




楠川の別れ10:30着、トロッコ道から山道に入り11:15辻峠着。
小休止、軽く携帯食を摂り渓谷を下る。




水分を多く含んだ重厚な苔に覆われたもののけの森は、噂に違わない世界を醸し出していた。
最初に森の中に足を踏み入れた時に聞こえ、宮之浦岳でも、縄文杉の辺りにも響いていた、獣のものとも、鳥のものとも、両生類のものとも聞こえるもの悲しい鳴き声が、ここにも響いていた。


 

白谷雲水峡12:45着、偶然にも13:00発の臨時バスがあり宮之浦港へ。
 
鹿児島に戻り、ホテルの熱い湯船で汗を落とし、黒豚のしゃぶしゃぶにて旅を締めくくった。
 
月に35日雨の降ると言われる屋久島で、二日間殆ど快晴の中を歩けたことは本当にラッキーだった。












鹿鳴いて森は太古の湿り帯ぶ

しかないてもりはたいこのしめりおぶ