2012年2月3日金曜日

鹿を追う


彼らの装備は猟銃とやっけの後ろにわずかの食料とお茶、犬のリードを入れているのみ。

区長の快っちゃんが三段角のりっぱな鹿を仕留めたと聞いた。
うちの地区には猟師が5~6人おり、猪や山鳥などが捕れた時には飲み会にさそってくれるので、ワイン等をもっていきお相伴に与るのである。
野生の鹿を撮ってみたかったので、快っちゃんに猟に連れて行ってもらうことになった。




向かったのは丹原、地元の猟師さん3人と合流し東三方ヶ森の南東の山中を目指す。
林道の終点から山に登り始めたが道はない。その上とんでもない急勾配を200m~300mよじ登る。

猟師の足は速く必死になってついていった。
整備された造林地帯にでると尾根沿いの道があり、勾配は少し緩くなったがそれでも結構きつい。
徐々に雪が出てきて辺りは真っ白になった。




一人は違う谷から猟犬を二匹連れて登って来ており、リードを放すといっせいに匂いを頼りに鹿を追い出している。自分たちは犬の吠える声と無線を頼りに鹿を追うのである。
標高差約150mを登ったり下ったり、尾根を移動したり、また雪の中でじっと待ったり、まったくもって根気と体力を要する。




鹿の無数の足跡を発見、5~6頭の群れのようだ。期待が高まる。




犬の鈴の音が近づいて来て、銃を構えていた快っちゃんが急に尾根を走り出した。
付いて行こうか躊躇していると、4発ほど銃声が雪山にこだました。
「外した」と無線からの声が聞こえると同時に、30m眼下を真横に雄鹿が疾走している。
カメラを向けたが速くて結局一枚も撮れなかった。




木立の中を猟犬があきらめて帰ってきた。8時から13時30分まで、犬を2回通り放ったが結局、他の方は一発も撃てずじまいだった。
鹿がどちらへ逃げるか、運に左右されるということらしい。

初めての体験だったが、猟師さんの体力と忍耐力に感服した次第。
同行した方の息子さんは以前に、りっぱな落し角を二つも手に入れたそうな。
次にはそちらを目当てに来てみようか?登山以上に楽しい一日だった。




太陽を見失いけり落し角

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